レインフォレスト・アライアンスは、自然を保護し、農業生産者と森林コミュニティの生活を向上させるために社会と市場の力を用いることで、より持続可能な世界を創造しようとしています。この使命を達成するため、私たちは世界各地の多様なパートナーと手を組んで、世界的なサプライチェーンと地球上で最も重要な自然の景観の多くにわたる前向きな変化を起こしています。
私たちのアライアンスは70カ国に広がっていて、農業生産者、森林コミュニティ、企業、政府機関、市民団体、そして数百万人という個人を含んでいます。全員で力を合わせて、森林と生物多様性を保護し、気候にかかわる行動を取り、人権尊重を推進し、農村地域の人々の暮らし向きを改善するために活動しています。
レインフォレスト・アライアンスは、過去30年以上にわたって持続可能性を変化させてきた国際的な非営利団体です。農村コミュニティの社会的・経済的な福祉が、生態系の健全性に密接に関係していることを理解しています。この知識に基づいて、持続可能な土地利用と農作物生産を推進するための厳密なプログラムを開発しています。
私たちのアライアンス
気候変動や災害への耐性に優れた明るい未来を創るうえで最も有望な方法は、大規模かつ体系的に持続可能性を高めていくことです。このため私たちのアライアンスは、シンプルでありながら、きわめて効果的な考えを基本としています。全員で力を合わせて行動すれば、人と自然が調和し繁栄する世界を創ることができるという考えです。
私たちは、世界で最も重要な熱帯地域の多くで農業生産者や森林コミュニティと一緒になって、自然を保護しながら暮らし向きを向上させる土地管理の方法を広めています。大小様々な企業と協力して、責任ある事業慣行を世界規模のサプライチェーン全体に普及させています。同時に、政府機関や市民団体とも連携して、地元レベルと国際レベルの両方で政策を強化することで、持続可能性のあり方を変えようとしています。私たちの活動にとってやはり欠かせない重要な要因が、数百万人という個人の力です。消費者としての集合的な力を利用することで、人と自然にとってより良い選択を推進しています。
主な活動分野
地球上の生命は、微妙なバランスで保たれた相互依存の網の目として存在しています。人類が存続して栄えていくには、全員で力を合わせ、様々な面で人と自然にとってより良い未来を創っていかなければなりません。レインフォレスト・アライアンスは、世界の持続可能性にとって重要であり、かつ互いに深くつながった4つの問題に取り組みを集中させています。
私たちの行動
4つの主な活動分野は、すべて相互につながっています。人と自然にとって最大の効果を及ぼせると私たちが考える産業と景観の持続可能性を高めるために設計されています。
- 認証
- 景観管理
- アドボカシー
- サプライチェーン・サービス
認証
レインフォレスト・アライアンスは、持続可能性の認証制度の世界的な第一人者です。私たちの認証プログラムに参加している農園、森林コミュニティ、企業は、環境・経済・社会の3つの柱(トリプル・ボトムライン)を基本とする持続可能性の厳密な基準に照らして審査されています。世界70カ国で200万軒以上の農園が、私たちの農業基準を順守しています。レインフォレスト・アライアンスの認証制度は、コーヒー、カカオ、茶類、バナナ、および他の重要な作物に特化していて、いずれも環境面と社会面の切迫した課題に直面している部門です。
これらの部門や私たちが活動している土地の景観は、この活動を開始した30年前から大きく変化しました。レインフォレスト・アライアンスは、その間に蓄積した経験と知識を活かして、高い志を掲げ、影響力を拡大するために、認証プログラムを刷新しました。新しい 2020認証プログラム は、気候変動に対して強く、かつ包括的な未来を創るための明確な道筋を提供し、次の4つの原則で支えられています。
- データ管理の向上: 新しいプログラムでは、詳細な記録管理のシステムや最先端の位置情報分析などを取り入れて、データの力を最大限に活用しています。エキサイティングな新しいデジタルツールは、農園が持続可能性に優れた農法を実践するうえで役立ち、また企業による実績評価やリスク分析にも明確さをもたらします。審査手順の有効性も高めるため、透明性と説明責任の向上も意味します。
- 個別の状況に応じた柔軟性: 画一的なモデルから個別の状況に応じて適応させるモデルへと移行する姿勢を明確に打ち出しました。この柔軟性の高い取組み方法は、現場が直面する現実の多様性を反映しています。状況は国や作物によって大きく異なり、また農園や企業の規模と種類にもよるためです。
- 責任の共有: 持続可能性のあり方を変えていくには、時間と費用の大きな投資が必要です。この責任をサプライチェーン全体で共有するため、2020認証プログラムでは、企業に投資を義務付け、より持続可能な生産に対して見返りをもたらす新しい要件が導入されています。
- 継続的な改善: 持続可能性とは、「目的地」ではなく「道程」です。このため、新しい認証プログラムでは、従来型の合格・不合格のモデルではなく、継続的な歩みの一歩一歩に対して報奨をもたらし、前進の度合いを測定する取組み方法を採用しています。
景観管理
重要な熱帯地域で、農作物生産によって生態系の健全性と農村コミュニティの福祉が脅かされています。レインフォレスト・アライアンスは、こうした景観の多くで、長期的な自然保護とコミュニティ開発のためのプログラムを開発し、実践しています。これらの活動を現場の最前線にいるコミュニティ・パートナーと一緒になって設計し、持続可能な地元経済を通じて農村の暮らし向きを向上させることを重視しています。
レインフォレスト・アライアンスは、統合された景観管理の取組み方法を取ることで、農園や森林を個別にとらえるのではなく、はるかに広い地理的範囲を対象として、生産者、企業、コミュニティ、地元の政府機関、非政府組織なども巻き込んでいます。私たちの景観管理プログラムに多様なステークホルダーが関与する結果、土地の利用者が全員で一緒になって共通の利益について話し合い、集合的な行動を見極められるようになります。
レインフォレスト・アライアンスの景観管理プログラムでは、次のような活動が行われています。
- 気候変動に対応した農業や持続可能な林業をはじめ、土地管理の最良の方法についての研修を提供しています。
- 農村地域の生産者に研修機会を提供することで、収入計上の方法を多様化し、製品に付加価値をもたらせるようにしています(森林コミュニティが未加工の材木を販売するのではなく、家具を生産するのを支援しています)。
- 融資機関とのパートナーシップを通じて持続可能な資金調達方法の利用を可能にし、農村地域の生産者が金銭管理のスキルを高められるよう支援しています。
- 官民パートナーシップを推進して、持続可能な方法で生産された製品に対する長期的な需要を確実に刺激しています。
- 農業生産者や森林コミュニティを新しい市場に紹介して、販売機会を拡大しています。
- 協同組合や労働組合といった地方・地域レベルの団体の活動を強化することで、農村地域の生産者の声が確実に代表されるようにしています。
アドボカシー
レインフォレスト・アライアンスは、政府機関、企業、現地および国際レベルの市民団体と協力して、持続可能性の変化に対して多大な時間、労力、金銭的リソースを投資している農村地域の生産者を支援するための広範な政策を前進させています。官民セクターのステークホルダーとの活動の目標は、認識を向上させ、意思決定者に影響して、変化を後押しすることです。
具体的には、次のようなアドボカシー活動を展開しています。
- 森林破壊と人権侵害に対する具体的な行動を取るよう、政府機関や企業に働きかけています。
- 労働者の権利に対応するよう、労働組合に働きかけています。
- 様々なステークホルダーの業界団体や非政府組織の連盟を通じてパートナーシップを構築し、社会面・環境面の切迫した課題への対応策を開発しています。
サプライチェーン・サービス
レインフォレスト・アライアンスは、認証をはじめ広範な持続可能性の目標を設定し達成しようとする企業を個別に支援しています。サプライチェーン・サービスには多岐にわたるツールとリソースが含まれています。次のようなサービスを提供して、持続可能性の歩みを計画し、世界的なサプライチェーンに潜む複雑な課題に対応するための取り組みを支援しています。
- 方針開発、リスク評価、戦略的コミュニケーションなどを目的とした企業向けのアドバイザリーと要望に応じたプログラム。
- 国際的に認識された最良の方法に基づいて、野心的でありながら達成可能な持続可能性の目標を設定し、実績を測定するためのガイダンス・フレームワーク。
- 企業の持続可能性の実績を評価し、業界全体の目標に照らして測定するための現場ベースの監視・評価サービス。
- 独創的なツールと的の絞れた戦略を開発して業界の変革を加速させるための業界の革新的な事業。